多くの人は、自分の目の前にある現実をありのままに見ることが出来ません。それは何故だかわかりますか?今日はこの事についてお話していこうと思います。
物事をありのままに見ることが出来ないのはなぜ?
わたしたちは自分の目の前にある現実をありのままに見ることが出来ません。それは、わたしたちの中に恐怖や、不安というものがあるからです。
この自分の中にある恐怖や、不安、これがわたしたちの目の前にある現実を常に歪曲させています。
自分の目の前にあるものをそのままに受け取る事というのは、一見簡単なようで実は一番難しいことだったりします。
わたしたちの心とは常に何らかの不安と恐怖にさいなまれていて、その恐怖や不安から逃れるために絶えずわたしたちは自分の目の前にある現実を歪曲します。
何事も皆自分に都合よく考え、そして解釈するという事です。
目の前にこうした現実がある。でも、それを受け入れ受容するには困難が伴う。ならば、その現実を自分に都合よく作り替えて解釈してしまえばいい。
これが多くの人が毎日行っている行為です。
目の前にこうした現実がある、なのに、その受け入れが困難であると悟った途端にわたしたちは、自分の目の前にある現実を離れ、自分で自分に都合よく作り上げた幻想の世界へと一気に飛んでいきます。
こうなると、わたしたちは目の前に今実際にある現実を完全に無視しているという事になります。
人間というのは誰しも傷つくのが怖い。だから、なるべく自分に都合の悪い事実とは向き合いたくないというのが本音だとは思いますが、こうしたことを続けていると、その当人は常に幻想の世界の中の住人という事になります。
幻想の世界の中にまどろんでいる方が楽
傷つきたくない、なるべく困難なことから避けて生きていきたい。そう思った時、わたしたちは幻想の世界を作り始めます。
そしてその幻想の世界にとどまり、自分を守ろうとします。
本当の現実はここにある。でも、その現実を受け入れられないから、自分が受け入れられる自分に都合のいい幻想の世界を作り上げる。そしてその中でまどろみ生きる。
わたしたちはこうして毎日自分に嘘をつき続けて生きていきます。
傷つきたくない、困難にぶつかりたくない。都合の悪いことは見たくない、触れたくない。
だから自分の作った幻想の中に落ち込んで、その中で守られ生きようとする。
現実を歪曲し続けた先にあるものは破綻
傷つきたくない、苦しみたくない。そう言って目の前にある現実から逃げ続けていれば、その先にあるのは破綻です。
自分を守るために幻想の世界を作り、その中に包まれ、守られて生きていこうとしても所詮、幻想は幻想であり、現実とは違うので、自分が思い続けなければ、その幻想はないのと同じです。
わたしたちはそもそも存在しないものをあるとおもいこんでいるにすぎません。
本当はない。でも、それが受け入れられない。だから、幻想の世界を作り上げ、そこに自分の求めるものは全てあるかのように思い込む。そうやってわたしたちは自分自身を慰めているだけです。
本当はない、なのにあることにして自分を慰めている。こんなに空しいことはないのですが、多くの人はこの状態にあります。
現実にあるものをあると認めることが出来ずに、この現実にないものをあるものとして思い込む。そうすることで多くの人は自分を守った気になっているという事です。
はっきりといってしまえば、そんな事をしても自分は守れません。むしろ、そうしたことで、さらに自分を境地へと追いやる事になります。
何故、わたしたちは現実を歪曲しそして自分を結果的に境地へと追いやるのか?
寒色系の影響を強く受けているタイプの人というのは、マゾヒズム的な性質を持っているとも言えます。
自分を守るために幻想の世界を作り出し、その中にとどまり自分を守っている気になっているといいましたが、彼らは心の奥深い部分では、自分が作り出した幻想では自分を守れないことをちゃんと知っています。
それに自分で作った幻想の先には破綻しかないことも知っています。
では何故、彼らは自らの幻想を断ち切り、現実を受け入れようとしないのか?という事についてですが、それは彼らが無意識的に苦しみを求めているからという事になるかと思います。
彼らは自分を守るために幻想の世界に飛び込んだのではなく、自分を破壊するために幻想の世界の中に飛び込んだという事になります。
一体何を言って言えるのか?意味が分からないかもしれませんが、彼らの建前としては自分を守るために、自分は幻想の世界の中に飛び込んだという事になるかもしれませんが、本音の部分では、彼らは自己破壊衝動というものを強く持っていて、その自己破壊衝動を叶えるために、自ら幻想の世界の中に飛び込んだという事になるかと思います。
寒色系の影響を強く受ける人は自己破壊衝動を持つ
このタイプの人たちは、自分でも意識していない、無意識の奥深くに強い自己破壊衝動を持っています。
自己、つまり自分自身を破壊するという事に強い快感を彼らは感じているという事になります。
私なるものを破壊し、解体するという事に強い喜びを持っている。
つまりは、今ある私を彼らは無意識の奥深い部分では否定しているという事になります。
これまで作ってきた私、これを無意識の領域では強く否定している。だから、彼らはその自分を破壊することに無意識的な領域では喜びを感じているという事になります。
ものすごく理解しがたいとは思いますが、寒色系とは自己を抑圧することで建前は自分を守っているという事になりますが、本音の部分では自己を抑圧することで、自らを攻撃し、そしてそれによって快感を得ているという事になります。
寒色系は自己懲罰的
寒色系のタイプの人間とは、幻想の世界を作り上げながら、その中で建前上では自分自身を守っていると思いながら、本音の部分ではその自分を守るどころか、その自分を自分で罰して、それによって強い快感を得ています。
この快感が寒色系のタイプの人間のいわば生きるエネルギーになっているといってもいいのかもしれません。
彼らは自分で自分に苦しみを与えて(無意識的な領域では)それによって、強い快感を生み出し、その快感を自身の自己エネルギーに変換しているという事が言えると思います。
つまり、自己を抑圧すること、他者を先行させて自分自身は二の次にしてしまっている寒色系タイプは無意識の領域ではそうすることで、常に快感を得ているという事になるかと思います。
快感を得たい。だからこそ、彼らは自分を抑圧する。他者を先行させ、自己を抑圧させる。そうすることで彼らは自分の望む快感を常に得ているという事になります。
人間とは面白いもので、意識上では否定し避けているものを、無意識の領域では肯定し、そして受容しようとします。
そしてその人間行動とはそのほとんどが無意識によって動かされています。
寒色系に限らず、わたしたちはもっと自分を知る必要があります。何事も一面的ではありません。表が在れば、必ずその裏があります。
この両面を知ることで私たちは自分自身に対する理解を深めていくことが出来るものと考えています。
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