PINKとはナルシシズムそのものを表す
PINKという色は、悪を象徴する色と書きましたが、この悪とはまさにフロムの言うナルシシズムと同義です。
自分に強く執着していく事。自分に強く執着させていく色、これがまさにPINKであると言えると思います。
PINKという色は、自分に強く執着させ、そしてその自分を徹底的に満たそうとする力であるともいえます。自分に執着し、より良い自分を持つ事(自己愛)の欲望をひたすら求める力、それをPINKという色が象徴しています。
このナルシシズム(PINK)こそが、私たちをより人間らしい生き方から遠ざけてしまいます。
ナルシシズムというのは、私たちの認識を著しく歪めていく力でもあります。
私たちはこのナルシシズム(PINK)の力によって様々な認識を歪められています。
その歪んだ自己認識が、私たちを更なる破壊へと向かわせていきます。この破壊こそが、フロムのいうネクロフィリアの状態です。
誤って間違えたナルシシズムによる自己認識、これは私たちを衰退のシンドロームの方向へと引き寄せます。
この衰退のシンドロームの方向に私たちが強く引き寄せられて行けば、その私たちの中からは必然的にバイオフィリア、すなわち成長のシンドロームの力は薄れていくという事になります。
私たちが、自身のこのナルシシズム(PINK)を克服する努力をしなければ、皆このフロムの言う衰退のシンドロームに陥っていく事になります。
そうなれば、私たちから生の喜びというものは消え、何をするにも無気力で、無関心で、無感動な状態に陥っていく事になります。そして最悪、その私たちは’死’を強く意識する様になります。
ナルシシズム(PINK)の力というのは、’死’に向かわせる力。有機的な存在である私たちを無機的な存在に変えてしまおうとする力でもあります。
正気を失った人、眠っている人
フロムのいうこの正気を失った人、眠った人というのは、完全に自分の中からバイオフィリア的な力、つまり自身の中に内在する光、これを失った人の事を指しています。
自分の中から光(12色の色の束)これを失くしてしまった人、ナルシシズムの力で、この光(色)を分厚く覆ってしまって色が見えなくなり、光(色)を認識する事が出来なくなってしまっている人、それを彼は正気を失った人、眠っている人と表現しています。
外界を何故、客観的に見る事が出来ないのか?
正気を失った人、眠った人というのは、自分の中から光(色)を失った人という意味で、彼らは自分に強く執着している人間という事になります。(ナルシシズムの奴隷)。
自分に強く執着しているという事は、つまりは自分の視点でしか物事を見る事が出来ていないという事になります。
正しい客観的な視点というのは、自分を軸にした視点ではなく、自分の中に内在する光(色)を軸にした視点です。
ナルシシズムに歪められた視点は、実に主観的で盲目的です。彼らは、自分の中に光(色)を軸にした視点を持つ事が出来ていません。
ナルシシズムによって歪められた主観的な視点しか持っていません。なので、自身の中に光(色)この力を回復させなければ客観的な視点を持つ事は出来ません。
私たちは多かれ少なかれ正気を失っている
この表現は、私たちが多かれ少なかれ、それは人によって様々ですが自分の中に内在する光(色)これをナルシシズム(PINK)の力によって侵されているという事になります。
誰もが皆、このPINKという色の力に侵され、’私’に執着しているという事を意味しています。
皆、自分が好きでしょう?皆、自分が大切でしょう?ならば、その自分を一番に考えましょう!そう言ってPINKは私たちに近づいてきます。
私を満たす事は悪い事では無い。私を満足させる事は悪い事では無い。むしろその自分を満たす事こそが、人間に与えられた使命であるかの様にPINKは言い、私たちを衰退のシンドロームの道へと誘い入れます。
私たちはこのPINKの誘惑に負け、そして自分を満たす事に走ります。
そして自分を満たす事、自分のナルシシズムを満たす事、それに奔走しているその間に私たちは完全に自分を見失うのです。
良いと思ってしてきた事が蓋を開けてみたら、自分でも思いもよらない結果になっていたというような感じです。
PINKという色は常に、私たちから生のエネルギー、生きようとするその生命エネルギーの様なものを奪い取ります。
私たちが、その生のエネルギーを失えば、そのエネルギーは皆、悪(PINK)を増強する為の力として使われる事になります。
私たちは自身の中に色(光)これを回復し、維持する事が何よりも大切です。それにはまずフロムの言う様にナルシシズムの克服が何よりも大切です。
ナルシシズムとは、自分を破壊へと導きそして自己を完全に消失させる力である。
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